Hardox® HiAce
酸性・多湿環境下で威力を発揮する耐腐食性摩耗鋼の新エースをご紹介します。 Hardox®耐摩耗鋼板シリーズに新登場したHardox® HiAceは摩耗や腐食に極めて強い素材です。Hardox® 450と同じ優れた機械的特性を備え、ブリネル硬度は425-475HBW。さらに腐食がある場合は2.7倍長い寿命を発揮します。
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酸性・多湿環境下で威力を発揮する耐腐食性摩耗鋼の新エースをご紹介します。 Hardox®耐摩耗鋼板シリーズに新登場したHardox® HiAceは摩耗や腐食に極めて強い素材です。Hardox® 450と同じ優れた機械的特性を備え、ブリネル硬度は425-475HBW。さらに腐食がある場合は2.7倍長い寿命を発揮します。
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Hardox® HiAceは機器を浸食する恐れのある酸性腐食環境で特に効果が実感できる、真の摩耗ファイターです。腐食に強いHardox@HiAceは自治体や産業の廃棄物管理、廃棄物エネルギー工場、採掘産業や加工産業に見られる腐食磨耗の問題に応えます。
Hardox® HiAceは構造用鋼板として必要な靱性に加えて、長い耐用年数を実現するために必要な硬度を備えています。また、衝撃靱性が高く、-20°C(20 ft-lb@-4°F)で 27 J の衝撃衝撃試験値が小さく、氷点下の温度にも対応します。
酸性や低pHの環境下で使用される機器は、腐食による摩耗で大きなダメージを受けることがあります。長期的にはメンテナンスや修繕費が増え、耐用期間が短くなることを意味し、全体的に見れば生産性や収益性の低下にもつながります。
コンテナやトラック、ダンプボディに使用されている鋼材が、酸や湿気、硫黄、塩化物、木くず、家庭ごみなどの攻撃的な物質にさらされると、耐用年数が想定よりも大幅に短くなる可能性があります。Hardox® HiAceはその特殊な鋼組成により、このような問題に対処することができます。
シンガポールのWong Fong Engineering社製廃棄物コンテナは、Hardox® HiAceを採用して、酸性積載物による腐食や摩耗に打ち勝っています。
スウェーデンのStena Recycling社の現場マネージャーKent Brännlund氏は、「ステンレス鋼からHardox® HiAceに切り替えたことで、メンテナンスの必要性を70%削減することができました」と語ります。
「2年前にHardox® HiAceの床材とコンベヤに変えてから、今のところ摩耗は見られません」と、スウェーデンにあるTrosa社の加熱工場の現場マネージャーRolf Ebbvick氏は述べています。
スウェーデンのBillerud社では、Hardox ® HiAceが、工場のチェーンコンベヤの湿潤・腐食環境に適さないS355鋼に代わって、性能と安全性を向上させています。
塩分を含む鉱石と熱帯気候は、腐食摩耗が生じやすい環境を生み出します。Bruce Rock Engineering社は、掘削用トレーラーにHardox® HiAceを採用することで、高い顧客満足度を実現しています。
ゴミ収集車が回収する都市ゴミは、摩耗を促進させる低pH環境を作り出します。「このような環境下で、Hardox® HiAceを使用した場合の耐用年数は、450HBW鋼と比較して最大2.7倍であることが当社の試験で明らかになっています。ゴミ収集車の床板を1年半使用してテストしたところ、摩耗率が低いことから、耐用年数は従来の7年に比べて20年に達することがわかりました」と、SSABの摩耗技術スペシャリスト、Jonas Allebertは述べています。
低pHレベル、化学物質(塩化物など)、温度、または最小限のメンテナンスの組み合わせもまた、孔食と呼ばれるダメージを機材に与える原因となり得ます。孔食とは、金属表面の腐食が狭い範囲に集中し、金属材料に小さな穴が空くことです。しかし、 しかし、その小ささに騙されてはいけません。機械の重要な部分にひとつ孔食が生じると、深刻なダメージにつながる可能性があります。孔食は金属表面に大きなロスを生じさせることはありませんが、金属の深部構造にダメージを与える恐れがあります。また、孔食は発見や予測がしにくいという特徴もあります。Hardox® HiAceは一般的な腐食や孔食に対する耐性が実証されています。
pHレベルが低い条件下では、さまざまな摩耗メカニズムが作用するため、硬い鋼材が機器の寿命を延ばすとは必ずしも言えません。Hardox® HiAce耐腐食鋼板は一般的な摩耗環境において、450HBWの鋼板と同等の性能を発揮します。よりpHレベルの低い場合、多くの用途で採用されている450 HBW 鋼板と比較して最大3倍の寿命アップが可能です。
Hardox® HiAceはゴミ収集車、リサイクルコンテナ、ダンプボディ等の大型機器の構造材料として必要な靱性を備えています。また、-20°C(-4°F)までの凍結温度でも機能します。
Hardox® HiAce採用によるメリットが期待できる産業および用途:
Hardox® HiAceは他のHardox®グレードと同じ機械で加工することができます。曲げ性はHardox® 450と同等です。溶接の場合も同じく、板厚が大きい鋼板にはステンレス製の溶接材が必要です。Hardox® HiAceの切り口の美しさは、CO2レーザー切断試験で証明されています。 他のHardox®鋼種と同様に、Hardox® HiAceには板厚、平坦度、曲げ特性の保証が付き、工場での予測可能な作業性を保証しています。
1) ブリネル硬度(HBW)はEN ISO 6506-1に沿って、切削表⾯の0.5‒3 mm下を測定。最低⼀試験⽚は熱処理・40トン毎。 供給される鋼板の公称板厚と硬度試験の試験⽚の板厚との偏差は+15未満です。
1) 衝撃試験は、プレートの場合は6 mm以上、シートの場合は3mm以上の厚さで実行されます。厚さが3〜11.9 mmの場合、サブサイズのシャルピーV試験片が使用されます。規定最⼩値は原⼨の試験⽚(10x 10mm)と⽐較して、試験⽚の断⾯積に⽐例します。衝撃試験はISO EN 148に沿って熱処理・板厚グループごとに実施。3試験の平均。
2) 最⼩単⼀値 指定標準値の70%。
組織は微細結晶粒。*) 意図的合⾦元素。
公差は「Hardox® 板厚保証」に準じます。Hardox®保証は厚板についてはEN 10029 Class A、薄板については½ EN 10051の要件を満たします。
SSABの「⼨法プログラム」に準じます。厚板の公差はSSABがEN 10029に沿って規定するミルエッジの基準または公差に準じます。薄板の公差はEN 10051に準じ、ご希望に応じてさらに狭い公差に対応いたします。
公差については、厚板はEN 10029、薄板はEN 10051に準じます。
厚板の公差はEN 10029よりさらに厳格な「Hardox®平坦度保証Class C」に準じます。薄板については、EN 10051より狭い公差を実現する「Hardox®平坦 度保証ClassA」に準じます。
EN 10163-2、ClassASubclass1に準じています。
納品条件はQ(焼き⼊れ)Q+T(調質済み)です。Hardox® HiAceは端がせん断または熱切断された状態でお届けします。Hardox® HiAce薄板の標準納品条件は圧延およびミルエッジです。
納品要件はSSABカタログ内「Hardox® Guarantees」またはwww.ssab.comでご確認ください。
溶接、曲げ、機械加⼯
推奨事項は、SSABのカタログ(www.hardox.com)をご覧いただくか、テックサポート(英⽂のみ)まで、お問い合わせください。
厚板の曲げ性は「Hardox® 曲げ保証ClassF」に準じます。薄板の曲げ性は「Hardox® 曲げ保証Class B」に準じます。
Hardox® 400は熱処理向きではありません。機械特性は焼き⼊れ、および必要に応じてその後の焼き戻しにより⽣まれます。納品条件として記載されて いる特性は250ºCを超える温度にさらされた後は維持されません。.
本製品に溶接、切断、研削、その他の加⼯を⾏う際は、適切な安全衛⽣予防策を取らなければなりません。特に防錆塗装された鋼板の研削時には、粒⼦ 濃度の⾼い粉じんが⽣じる場合があります。