Hardox® HiAceで製紙・包装会社の性能と安全性を向上

メンテナンス・スタッフが機械に詰まった木材を取り除くために木材コンベアの中に何度も潜り込まなければならない状況に、Billerud氏は辟易していました。スウェーデンの製紙・包装メーカーの同社は、スウェーデンの拠点の 1 つに長さ 60 m（197 フィート）の 2 つの木材コンベアを設置しています。木材は木材トラックから連続的に供給され、鋼板の上をスライドするチェーンを介して同社の工場に運ばれます。

コンベアの従来の設計では、長さ 1.1 m（3.6 ft.）の短いプレートが使用されていました。このため、プレートが緩み、木材がコンベアに引っかかる可能性がありました。これにより、計画外のメンテナンス停止が発生し、スタッフは困難で危険な作業状況で修理しなければならず、ダウンタイムの発生につながっていました。

また、S355鋼を使用した従来のソリューションには、別の問題がありました。樹皮と水が作り出す腐食性の高い酸性の環境には耐えられなかったのです。木材に付着した残留物を洗い流すため、丸太には連続的に循環水が噴射されます。木材コンベア内部のこのような運転状態は、耐摩耗鋼板とチェーンガイドの摩耗を加速させます。

Hardox^® Wearpartsセンター Karlstad SST Slitskyddsteknikが製造したこの新しいソリューションでは、2つの大きな変更が加えられました。1つ目は、スライディングプレートとチェーンガイドの両方にHardox^® HiAceを指定し、耐腐食摩耗性を高めている点です。SSABが実施した試験により、Hardox^® HiAceは、400 HB鋼と比較して、酸性環境での耐摩耗性が2～3倍高いことが示されています。

2つ目の変更点として、SSTはスライディングプレートとガイドを長さ5.5 mの鋼板から製造することで、コンベヤの継ぎ目の数を最小限に抑えました。スライディングプレートは、プレートの全幅を使い、水が通るように切り込みを入れています。この設計により、木材が詰まるリスクはほとんどなくなります。チェーンガイドには厚さ 75 mmのHardox ^® HiAce鋼板を使用し、 その後、断面75×75mmの長さ5.5mの棒に切断しました。

SST Slitskyddsteknikは、Billerud社のログコンベア用に、Hardox^® HiAceの切断と溶接の両方を担当しました。 

「我々はHardox^®耐摩耗鋼板を長年扱っており、Hardox^® HiAceも取扱いを初めて数年になりますが、 この素材に対する関心が高まっているのを実感しています。Hardox^® HiAceの加工に関しては、工場での作業はいつも通りでした。他の鋼材と比較して特別な処理は必要ありません。コンベア部品には多くの溶接を行うため、溶接特性を予測できることが重要です。」 SST SlitskyddsteknikのCEO、Mikael Ringåker氏。