2022年12月13日
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湿潤、酸性、腐食性のある物質は、機器や企業の収益に悪影響を及ぼします。このバイオマス暖房プラントが、搬入口にHardox® HiAceを採用し、腐食性摩耗に打ち勝った理由をご紹介します。
スウェーデンの小さな町トロサにあるこのバイオマス発電所では、Hardox® HiAceが、森林から町の家庭や企業に及ぶエネルギーチェーンで使われる重要な機器の摩耗と腐食に効果を上げています。ヨーロッパ最大の再生可能エネルギー発電事業者Statkraft社が所有するTrosa Energi社は、搬入口で受け取った木屑を熱エネルギーに変換しています。その熱は、気候変動に配慮した地域暖房ネットワークの中で、何キロものパイプを通して効率的に送り出されます。
しかし、この木屑は含水率が約60%とかなり高いため、工場の搬入口で腐食が生じます。コンクリートや従来のAR鋼を使ったこれまでのソリューションは、すぐに摩耗してしまい、頻繁に交換することが必要でした。そこで、Trosa Energiが摩耗対策を強化するべく、Hardox ® HiAceを採用したのです。
廃棄物燃料化プラント、鉱業、リサイクル、その他の加工機器によく見られるような酸性の腐食環境では、酸によって鋼材の表面が 酸化されます。そのため、硬質な素材を使用した機器であっても磨耗しやすくなります。しかし、Hardox ® HiAceは酸化速度を大幅に遅らせるよう特殊設計されており、従来の400 HBW鋼と比較して、最大3倍の耐用年数を実現しています。Trosa Energiの新しい搬入口では、HardoxHiAceは、床を腐食させ、早期摩耗の原因となる酸性の腐食と湿気の問題に見事に対処しています。
Hardox® 耐摩耗鋼板で実現する持続可能性「最初はコンクリートの床だったのですが、ダメでした。2年前にHardox® HiAceの床とコンベアに変えて以来、これまでのところ全く摩耗を気にすることはありません」
SSABのシニア摩耗スペシャリストJonas Allebertが超音波測定装置を使用し、搬入口のHardox® HiAce鋼板にほとんど摩耗がないことを確認しました。現在、搬入口の耐用年数は 12年となり、 Trosa Energi 社は、腐食性の木屑に最適なソリューションを見つけたようです。そして、同社はすでに地域暖房プラントの他の場所でもHardox ® HiAceの使用が可能かどうかを検討しています。
Hardox® HiAceの使用に関する技術的なアドバイスを無料でご提供していますJernforsen Energy社は、Trosa Energi社の暖房プラントの搬入口設備のサプライヤーです。少なくとも40年以上前からHardox ® 耐摩耗鋼板を使用してきた同社は、この鋼の特性をよく理解しています。Jernforsen社は、暖房設備や製材所向けの機器を専門に扱っているため、腐食環境に精通しています。
「当社は、腐食と摩耗の両方が発生する場合にHardox ® HiAceを指定しており、そうした用途で優れた性能を実感しています。今回は搬入口に使用しましたが、鋼材の耐食性が活かされる他の用途にもHardox ® HiAceを採用したいと考えています。Hardox® 450と同様に曲げたり溶接したりするのが簡単なので、 Hardox ® HiAce への切り替えもスムーズにできます」と、Jernforsen Energy社のアフターセールス・コーディネーター、Henrik Fransson氏は言います。 「Hardox® HiAceを使用することで、お客様のメンテナンスコストは大幅に削減されます。Trosa Energi社の場合も、搬入口の床を頻繁に交換する必要がありません」
Hardox® HiAce は自治体や産業廃棄物管理、廃棄物エネルギー工場、鉱業等、酸性環境の産業に見られる腐食摩耗の問題に応えます。
Hardox® HiAce製品情報はこちらシンガポールのWong Fong Engineering社製造の廃棄物コンテナは、Hardox® HiAce採用により、酸性積載物による腐食や摩耗に対処することに成功しました。
酸性環境で廃棄物コンテナの軽量化を実現