Hardox 450鋼板は摩耗性の岩石を掘り上げる掘削機バケットで活躍します。
Hardox 450鋼板は摩耗性の岩石を掘り上げる掘削機バケットで活躍します。

Hardox® 450

Hardox® 450はSAAB独自の厳しい公差と優れた構造特性を持つ、世界で最も認められた耐摩耗鋼板です。Hardox® 450は公称硬度450 HBWで、優れた曲げ性と溶接性を兼ね備えています。Hardox® 400鋼種よりさらに硬度が50 HBW高く、歪みや摩耗に対する耐性や摩耗寿命の向上を実現します。あるいは、増えた硬度を活かして板厚を下げ、機器を軽量化することも可能です。

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Hardox® 450とは?

Hardox ® 450が30年以上にわたって高品質鋼のベンチマークとして君臨してきたのには、それなりの理由があります。Hardox® 450は構造用特性を備えた万能な耐摩耗鋼板として定評があります。AR 400鋼種よりさらに50HBW高い硬度を備え、AR 400鋼と同様の靭性を持ちながら、さらに耐摩耗性を高め、長寿命を実現しています。これにより、バケットやダンプボディなどの機器をより高性能にし、長持ちさせ、なおかつ構造的な完全性を損なわずに衝撃力を受け止めることができます。

濡れてぬかるんだ道を走行する、ダンプボディにHardox 450鋼を採用したトレーラー。
巨大な岩を空中に放り投げる巨大ショベルカー。バケットのエッジにはHardox® 450鋼を使用。

S235鋼やS355鋼に代わるHardox® 450

Hardox ® 450は S235、S355、A36、グレード 50、A514、 SS400、S45C、AR 400鋼種などの普通鋼より優れた性能を発揮します。そのため、耐久性と堅牢性に優れた機器の業界標準となっています。普通鋼は、現代のショベルカーなどの機械が性能を十分に発揮するための強度がないのです。機器の先端が硬くない、強度が足りないという理由だけで、早々にメンテナンスや修理を行うことは、利便性にも費用対効果にも欠けます。こうした鋼材からHardox ® 450に切り替えた場合、ダウンタイムが減少し、より生産性の高い操業が期待できます。

異なる研磨材を用いたすべり摩耗におけるHardox® 450とS355鋼の相対的耐用年数比較

Hardox® 450 は耐用年数を大幅に伸ばすため、機器への貴重な投資を守ります。ここでは、さまざまな研磨性素材の摩耗にさらされたとき、Hardox ® 450がいかにS355やS235などの普通鋼を上回る性能を発揮するかを紹介します。

Hardox® 450 耐摩耗鋼板が装置の耐用年数を延ばすことができることを岩石の種類に応じて示す棒グラフ。
異なる応力を受けるHardox® 450耐摩耗鋼板の図3点。

Hardox® 450は単なる数字ではありません

硬度だけで耐摩耗鋼を比較するのは不十分です。Hardox® 450 は平均的な AR 450 鋼とは異なります。違いは工場での焼入れ・焼戻し工程から実感でき、Hardox ® 450は確かな貫通硬度 が保証されています。メリットとしては、 機器の耐用年数を通じて、確かな信頼性、予測可能な性能を実現します。

さらに、Hardox ® 450 は 板厚、平坦度、曲げ性能が保証されています。こうした特性により、予測可能な加工が可能になります。作業するすべての鋼板は同じように動作します。予想外の事態が発生しないのは、生産管理者にとって大きな朗報です。

AR450からグレードアップする準備はできていますか?

長く摩耗鋼の最先端を走り続けてきたHardox ® 450はこれからも変わらぬ存在であり続けます。その中で、Hardox ®の新たな鋼種も登場しています。Hardox® 500 TufはHardox® 450の靭性はそのままに、さらに硬度を50HBW高めた鋼種です。わずかな違いに思えるかもしれませんが、摩耗寿命への効果は絶大です。Hardox® WearCalcアプリによる計算では、Hardox® 500 TufはHardox® 450と比較して、摩耗寿命を50%近く向上させることが分かります。

Hardox® 500 Tuf鋼へのアップグレードにより、Hardox® 450と比較して耐用年数が50%延長することを示す棒グラフ。

Hardox® 450がOEMやエンドユーザーにもたらす利点をご覧ください

最寄りのHardox® 450鋼サプライヤーを検索

Hardox ® 450は世界各地で幅広くお届けできます。Hardox ®の最も一般的な鋼種と寸法は、SSAB工場または地域のSSABストックから48時間以内に入手することが可能です。耐摩耗サービスの世界的ネットワークのHardox® WearpartsがHardox® 450をはじめとする各種Hardox®鋼種を使って、耐摩耗部品を製造します。

工場に搬入され、加工されるHardox® 450耐摩耗鋼板。白黒画像。
摩耗性の高い砂利や石を積んで現場を通過していく、ボディにHardox® 450鋼を使用したトラック。

Hardox® 450の用途は?

Hardox® 450は使用されていない業界を挙げるのが難しいほど、さまざまな分野で活用されています。摩耗は多くの産業を悩ます課題です。Hardox® 450はこうした課題に対応するための有力なソリューションとなっています。Hardox® 450 には、 コンクリートミキサー、スノーブロワー、ロールオフコンテナ、掘削機/フロントローダーバケット、グラップル、せん断機、ゴミ収集トラック、ダンプトレーラーボディ、コンクリートドラム、アスファルトローラー、馬鈴薯収穫機、リサイクル工具、クラッシャー、シュートなど、様々な用途があります。

⼨法レンジ

Hardox® 450 の厚板では、3.2 ~ 160 mmの板厚、薄板は 2.0 ~ 8.0 mm板厚、冷延(CR)薄板 0.8 ~ 2.1 mmをご用意しています。
SSAB Zero™鋼材から作られたHardox® 450では、4.0 ~ 25.4 mmの板厚をご用意しています。80 mm以上の板厚には 1650 mmの幅をお勧めします。寸法の詳細は寸法プログラムをご覧ください。

Hardox® 450摩耗鋼の対応寸法を示すマトリックス。

機械特性

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    鋼種 板厚
    (mmin)
    硬度 2)
    (HBW)
    降伏強度代表値
    (MPaksi), 保証されません
    Hardox® 450 CR 薄板 0.8 - 2.100.031 - 0.083 425 - 475 3) 1250181
    Hardox® 450 薄板 2.0 - 8.00.079 - 0.315 425 - 475 3) 1250181
    Hardox® 450 厚板 1) 3.2 - 80.00.126 - 3.150 425 - 475 1250181
    Hardox® 450 厚板 80.1 - 103.03.151 - 4.055 410 - 475 1250181
    Hardox® 450 厚板 103.1 - 160.04.056 - 6.299 390 - 475 1250181
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      1) SSAB Zero™ 鋼材から作られた Hardox® 450 では、4.0 ~ 25.4 mmの板厚をご用意しています。SSAB Zero™の詳細については、SSAB Zero™ のセクションを参照してください。

      2) ブリネル硬度(HBW)はEN ISO 6506-1に沿って、切削表⾯の0.5‒3 mm下を測定。最低⼀試験⽚は熱処理・40トン毎。

      3) Hardox® 製品の厚さ2.5 mm未満では、硬度試験は実施されず、保証されません。表に示されている厚さ2.5 mm未満の硬度値は、引張強度からの変換値です。詳細については、データシート 2067- Hardox耐摩耗シートの硬度変換をご覧ください。

      供給される鋼板の公称厚さと硬度試験の試験片の厚さの偏差は+ 15mm未満です。

      Hardox®は通し焼⼊れされています。最小コア硬度は、保証された最小硬度の90%です。

      衝撃靱性

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        鋼種 縦⽅向試験、標準衝撃エネルギー、シャルピー 10x10mm V-ノッチ試験⽚。 1)
        Hardox® 450 シートとプレート 50 J / -40 °C37 ft-lbs / -40 °F
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          鋼種
          Hardox® 450 シートとプレート
          縦⽅向試験、標準衝撃エネルギー、シャルピー 10x10mm V-ノッチ試験⽚。 1)
          50 J / -40 °C37 ft-lbs / -40 °F

          1) 衝撃靱性は別途同意により測定。板厚3~11.9mmのものについては、サブサイズ、シャルピー衝撃試験片(V-ノッチ)が使用されます。規定靱性は原寸の試験片( 10 x 10mm)と比較して、試験片の断面積に比例します。衝撃試験はISO EN 148に沿って実施。3試験の平均。

          化学組成(熱分析)

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            鋼種 C *)
            (max %)
            Si *)
            (max %)
            Mn*)
            (max %)
            P
            (max %)
            S
            (max %)
            Cr*)
            (max %)
            Ni*)
            (max %)
            Mo*)
            (max %)
            B*)
            (max %)
            CR 薄板 0.19 0.30 1.50 0.020 0.005 0.10 0.10 0.05 0.004
            シートとプレート 0.26 0.70 1.60 0.025 0.010 1.40 1.50 0.60 0.005
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              組織は微細結晶粒。*) 意図的合⾦元素。

              炭素当量 CET(CEV)

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                鋼種 CR 薄板 薄板 厚板 厚板 厚板 厚板 厚板 厚板
                板厚 (mmin) 0.8 - 2.100.031 - 0.083 2.0 - 8.00.79 - 0.315 3.2 - 4.90.126 - 0.193 5.0 - 9.90.194 - 0.390 10.0 - 19.90.391 - 0.783 20.0 - 39.90.784 - 1.571 40.0 - 80.01.572 - 3.150 80.1 - 160.03.151 - 6.299
                最⼤ CET(CEV) 0.36 (0.49) 0.36 (0.49) 0.37 (0.48) 0.38 (0.49) 0.39 (0.52) 0.41 (0.60) 0.43 (0.74) 0.41 (0.67)
                標準CET (CEV) 0.32 (0.46) 0.33 (0.47) 0.33 (0.46) 0.33 (0.45) 0.36 (0.48) 0.38 (0.56) 0.40 (0.71) 0.39 (0.64)
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                  公差

                  Hardox®を見る詳細については、SSAB カタログの保証を参照してください。

                  板厚

                  公差は「Hardox®板厚保証」に準じます。Hardoxreg; Guaranteesは、板厚については EN 10029 Class A の要件を満たしています。薄板については、1/2 EN 10051の要件を、冷間圧延鋼板については EN 10131の要件を満たします。

                  ⻑と幅

                  SSABの寸法プログラムに準じます。厚板の公差はSSABがEN 10029に沿って規定するミルエッジの基準または公差に準じます。冷間圧延鋼板の公差は EN 10131 に準じます。薄板鋼板については、公差がEN 10051の要件を超過しています。

                  形状

                  公差については、厚板はEN 10029、薄板はEN 10051、冷間圧延鋼板はEN 10131に準じます。

                  平坦度

                  厚板の公差はEN 10029よりさらに厳格な「Hardox®平坦度保証Class C」に準じます。薄板については、EN 10051より狭い公差を実現する「Hardox®平坦 度保証ClassA」に準じます。冷間圧延鋼板の公差は「Hardox® 平坦度保証Class B」に準じます。

                  表⾯特性

                  EN 10163-2、ClassASubclass1に準じています。

                  納⼊条件

                  納品条件はQ(焼き⼊れ)Q+T(調質済み)です。Hardox® 450鋼板はエッジがせん断または熱切断でお届けします。厚みが80mmを超える場合は通常ミ ルエッジでの納品となります。Hardox® 450薄板の標準納品条件は圧延およびミルエッジです。Hardox® 450の冷間圧延鋼板(0.80-2.10mm)の表⾯は冷間圧延したままの状態で供給します。

                  納品要件はSSABカタログ内「Hardox® Guarantees」またはwww.ssab.comでご確認ください。

                  ファブリケ−ションとその他の推奨事項

                  溶接、曲げ、機械加⼯

                  推奨事項は、SSABのカタログ(www.hardox.com)をご覧いただくか、テックサポート(英⽂のみ)まで、お問い合わせください。

                  厚板の曲げ性は「Hardox® 曲げ保証ClassF」に準じます。薄板の曲げ性については、冷間圧延鋼板は「Hardox® 曲げ保証」のClass C、薄板はClass Bに準 じます。

                  Hardox® 450およびHardox® 450Tufは熱処理向きではありません。機械特性は焼き⼊れ、および必要に応じてその後の焼き戻しにより⽣まれます。納品 条件として記載されている特性は250ºCを超える温度にさらされた後は維持されません。

                  本製品に溶接、切断、研削、その他の加⼯を⾏う際は、適切な安全衛⽣予防策を取らなければなりません。特に防錆塗装を施した鋼板の研削時には、粒 ⼦濃度の⾼い粉じんが⽣じる場合がありま。