2021年12月21日
5 分
ドイツのトレーラー車体メーカーKempfはより耐久性があり、顧客と自社の成長をサポートするダンプトレーラーを製造するため、より高いグレードのHardox®鋼-Hardox® 500 Tuf-に切り替えました。 この結果、 摩耗軽減、積載量アップ、性能向上を実現しました。
Hardox® 500 TufはHardox® 450とHardox® 500が持つ最も優れた要素を兼ね備えています。 KempfはHardox® 500 Tufの発売とともにティッパーセミトレーラーの設計に同鋼種をドイツで初めて採用した企業です。 これにより、Kempf社は製品の性能を向上する新たなチャンスを得ました。
「独自のメリットや向上した特性を備えたHardox® 500 Tufが発売された時、Kempf社は素早くこの新素材へ切り替えました」とSSABのドイツ南西部担当リージョナルセールスマネージャーのChristoph Bednarz氏は言います。
「より高品質の新グレードへの切り替えによって、加工に問題が生じることはありませんでした。 変更や調整する必要もほとんどありませんでした」とDaniel Dressler氏は言います。
Kempf社Daniel Dressler氏は、Hardox® 500 Tufの確かなメリットを実感しています。 「ある顧客がHardox® 450で作られたリアティッパーとHardox® 500 Tufで作られたリアティッパーを使用していて、 どちらもほぼ同じ条件下で運転していました。 2年近く使用した後の両車の摩耗パターンを点検したところ、 Hardox® 500 Tufで作られたトレーラー車体の摩耗が1/3程度少ないことが分かりました」
摩耗の軽減について 担当者から連絡を希望する新しいティッピングシャフトはHardox® Tubesを採用し、旧ソリューションに比べて20 kg (44 lbs.) の軽量化を実現しています。
Kempf社はダンプトレーラーやトラック車体の耐久性向上を実現しただけでなく、 Hardox® 500 Tufの採用により板厚4 mm (0.157”) の鋼板を使用することが可能になりました。一方、Hardox® 450製トレーラーでは板厚5 mm (0.197”) を使用していました。 これにより、車体のバージョンによって最大20%の積載量アップが可能になります。
車両の軽量化で、トラックのライフサイクルにおける燃料消費量やCO2排出量の削減にもつながります。 車体をより薄く軽くすることは使用する鋼材の削減を意味し、トラックやトレーラーの環境フットプリントの軽減にもつながります。
SSABエキスパートとの設計相談をご希望のお客様はこちらHardox® 500 Tuf鋼板で作られた軽量ティッパー車体は過酷な使用に耐えるさまざまな車両や用途向けに製造されています。
数年前、Kempf社は継続的な成長を目指して、SSABのメンバープログラムHardox® In My Body に参加しました。 このメンバーシップは、徹底的な検証を経て加入が認められる品質認定です。
Hardox® In My Bodyの印は、Hardox®を使用して作られ、厳格な仕様に沿って設計・製造された製品であることを示します。 Hardox® in My Bodyメンバーはさらに、SSABが持つ素材、用途、加工に関する最新の専門知識にアクセスすることができます。 これらはすべてより効果的な製品の開発に直結します。 Hardox®鋼板の採用により、Kempf社の顧客は中古車両を平均より高い再販価格で売却することができます。
HARDOX IN MY BODY認定製品のメリットを見る「Kempf社は長年にわたりシャーシにStrenx® 700MCを使用してきましたが、現在は当社と協力してStrenx® 960 Plusを使用したより軽量型のトレーラーの製造を勧めています」とSSABのChristoph Bednarzは言います。
Strenx® 960 Plusは最低960 MPaの降伏強度を保証した高張力構造用鋼板です。 一般的な用途はトレーラーシャーシ等の厳しい耐荷重構造です。 Strenx® 960 Plusの採用により、Kempf社は約10%の軽量化を実現することが可能で、大きな成果へとつながります。
STRENX®高性能鋼板がトレーラーにもたらすメリットStrenx®高性能鋼板を使用した軽量シャーシ構造。
1950年代初期に同族経営で創業したKemph社は、現在二代目と三代目が経営しています。
創業当初は戦前の車両の農業用途への改造を中心に行い、 その後、トラックやダンプ車体の製造に切り替え、現在ではダンプ車両のサプライヤーとしてドイツで三番目の規模を誇ります。 Fahrzeugbau Kempf社では、バート・マリーエンベルクの本社と近くにある中古トラック用修理工場を含む3か所で約300人の従業員が働いています。 同社の3つ目の拠点はポーランドにあり、そこではスティール生産のほとんどが行われ、特殊なニーズを持つ東欧市場向けの供給が行われています。
Kempf社製ティッパーの品質は欧州全域の顧客に信頼されています。
硬度と靭性を独自に兼ね備えたHardox® 500 Tufは、ティッパー車体、農業用ティッパー、掘削用ダンプ車体等の軽量化や耐久性を向上します。
HARDOX® 500 TUFがティッパーにもたらすメリット「Hardox® 500 Tufの採用で耐摩耗性が向上したため、より薄い鋼板で同等の寿命が実現できます。 それだけでなく、板厚を下げることで車体重量が減り、積載量アップが可能になります」
ZETTERBERG社のHARDOX® 500 TUF使用例