2020年10月28日
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セミトレーラーOEMメーカーMantella社は新Hardox®鋼材であるHardox® 500 Tuf採用により、最高レベルのトレーラー設計を実現しました。 SSAB製の高強度鋼板を使用し、大幅な設計改善を行うことで、 革新的なティッパートレーラーStratosphereの設計を一新し、目覚ましい成果を達成しました。
Mantella S.r.l.はイタリア南部のラメーツィア・テルメにある家族経営の会社です。 同社は、より優れた積載能力と強度、軽量化を実現すると同時に、燃費を押さえ、CO2排出量を削減するセミトレーラーを設計するという大きな目標を掲げました。 欧州環境機関によると、道路輸送は欧州の温室効果ガス総排出量の17.5%を締めることから、排出量削減は重要な課題です。 排出量ゼロの目標達成に向けて着実に進展するためには、2050年までに排出量を1990年より60%以上削減する必要があります。
「トンキロメーターあたりの燃料消費量とCO2排出量を削減することで、弊社はよりサステイナブルな世界に貢献しています。 設計エンジニア、生産担当、マネジメント、購買担当まで、全社一丸となって軽量のティッパートレーラーの開発実現に取り組みました。 StratosphereトレーラーはHardox® 500 Tufをはじめとする、SSABの高強度スティールグレードのあらゆる利点を生かして誕生しました。 もちろん、現在他のトレーラーシリーズの強度アップと軽量化を目指した設計ソリューションを実行している最中です」とMantella社の工場責任者Gregorio Mantella氏は言います。
燃料消費減・排出量減に関するご相談 – 担当者から連絡を希望するMantella社製Stratosphereトレーラーは、Hardox® 500 Tuf耐摩耗鋼板を使用した他に類を見ない高寿命ティッパートレーラーを展開しています。 このHardox®の新グレードは、それまで使用されていたHardox® 450グレードと同等の靱性を発揮しながら、より長い摩耗寿命を実現します。
より耐摩耗性に優れたHardox® 500 Tufを採用することで、Mantella社は板厚を1 mm (0.039インチ)薄くすることができました。 これにより、平均365 kg(805 ポンド)の車体重量削減が実現しました。
板厚低減を可能にしたのは、Hardox® 500 Tuf採用による硬度アップと、優れた靱性と歪み抵抗でした。 長年の使用を経ても、鋼板の厚みは車体の完全性を損なわないレベルに保たれます。
Hardox® 500 Tufは、Hardox® 450とHardox® 500耐摩耗鋼板が持つ優れた特性を兼ね備えています。 475-505 HBWと非常に狭い硬度幅で、 Hardox® 450と比較して30-50% 長い摩耗寿命を誇ります。 高い靱性により、鋭利な物や重い物が当たった場合の歪みや亀裂に対して優れた耐性を発揮します。 Hardox® 500 Tufの保証衝撃エネルギーは27 J at 20°C(20 ft-lb at 4°F)で、板厚20 mm(0.79インチ)の鋼板の標準値は45 J at 40°C(20 ft-lb at 4°F)です。
ダンプ用Hardox® 500 Tuf仕様シートのダウンロードはこちら薄い素材を使用する場合、セミトレーラーの車体は十分な剛性と全体的な安定性が確保されるよう設計する必要が生じます。 前部に搭載した水圧シリンダーでトレーラー車体を満載状態で上げるとき、車体には強いストレスがかかります。 適切に設計されていない場合、側面が突然座屈してしまう恐れがあります。
対策として、Mantella社はサイドパネルに横方向の曲げを追加するなど、さまざまな設計変更を行いました。 これにより、車体全体に必要な剛性が生まれます。 さらに、水圧シリンダーアタッチメント、トップレール、リアフレーム、ダンプ軸の設計も見直すことで、胴体の剛性をアップさせました。
SSABエキスパートとの設計相談をご希望のお客様はこちらMantella社はHardox® 500 Tuf採用に加えて、Strenx® 960 の一枚の薄板に溶接ではなく高度な曲げをほどこすことで、縦に長いシャーシ用ビームを製造するという画期的な手法を取り入れました。
Stratosphereシリーズの新トレーラーシャーシはアルミ製と同等の軽さと、鋼材の優れた耐久性、疲労強度、生産面のメリットのすべてを実現しています。 Mantella社は145 kg(320 ポンド)軽いシャーシを提供できるだけでなく、 優れた機械特性と操縦性向上を達成しました。
「Stratosphere 3.0のエンドユーザーは、従来のモデルと同じ作業負荷でより高い積載量、満載時の道路上での安定性の向上、さらに燃料やタイヤの消費の大幅な軽減が実現できます」とMantella社は言います。
サンプルを注文これがいわゆる「EcoUpgraded」です。
SSABのWearCalcをはじめとする各種ソフトウェアを活用することで、ティッパー車体製造前に摩耗速度の計算が可能です。 画像は、ダンプの荷下ろし後の滑り摩耗により生じるストレスの度合を色で示しています。 計算データをもとに、おすすめの素材アップグレードや摩耗設計を表示します。
HARDOX® WEARCALCモバイルアプリのダウンロードはこちら「Hardox 500 Tufの採用で耐摩耗性が向上したため、より薄い鋼板で同等の寿命が実現できます」
「Hardox 500 Tuf耐摩耗鋼板にアップグレードして以来、当社のダンパーの寿命は少なくとも40%延びました」
ZETTERBERG社のHARDOX® 500 TUF使用事例を詳しく紹介