一般的にはレーザー溶接(LW)と呼ばれるレーザービーム溶接(LBW)は金属(およびプラスチック)をレーザーで接合する熱接合技術です。 レーザー溶接は通常、エンジニアリング用途における深浸透型のキーホール溶接手法です。 レーザービームは素材の表面または厚みのわずか下に向けて照射されます。 ビーム照射の極めて高い出力密度(> 106 W / cm2)により、素材はキーホール内で蒸発します。ビームが接合部を通過する際、周辺の液化した溶解プールがキーホールの後部へと流れ込み、溶解プールが固まることで溶接が形成されます。 レーザー溶接では、溶解プールがガスジェットによって吹き飛ばされず、溶解された素材は低圧シールドガスの工程によって保護されるため、レーザー切断とは異なります。
純粋なレーザー溶接では、溶接材は使用しません。 純粋なレーザー溶接の鋼材接合用途における主な特徴は、溶接継ぎ目の素材特性がベースメタルとほぼ同じである点です。 場合によっては、レーザー溶接部に溶加材(フィラーワイヤー)をプラスすることが可能です。この場合、溶解プールの熱効果を軽減するためコールドフィードワイヤーまたは誘導加熱ワイヤーを使用できます。 もうひとつ一般的な手法として、レーザーとMAG溶接手法を組み合わせたハイブリッド溶接があります。 ハイブリッド溶接では、純粋なレーザー溶接より高く、従来のMAG溶接より低い入熱が行われます。 ハイブリッド溶接はより早い溶接速度が可能で、より厚みのある素材にも対応します。
レーザー溶接はほとんどの場合、大規模用途においてオートメーションで行わるため、1-5m/分の溶接速度が可能です。従来型のCO2レーザーについては、主に大型パネル溶接ラインにおいて現在も使用されているものの、新設の溶接ラインではファイバーレーザーがより一般的となっています。現在では、高度な3Dロボティック溶接ラインではもっぱらファイバーレザーが使用されています。 レーザー溶接とレーザーハイブリッド溶接は自動車産業、造船産業、鉄道産業において標準的な溶接手法となっているほか、農業機器やダンプ車ボディ、コンテナ等でも採用されるケースが増えています。
レーザー溶接テーラードブランクはかなり以前からあらゆる自動車に採用されています。サブフレーム、サスペンションバー、補強・安全部品等、さまざまな厚みや鋼種の構造部品で、年間数百万個ものレーザー溶接テーラードブランクが3Dロボティックス溶接ラインで製造されています。
レーザー溶接は入熱温度が低い溶接手法で、狭い範囲での完全溶け込みにより、美しい仕上がりを可能にします。 大型の薄板を接合する場合、レーザー溶接は多くの場合において完成品の熱変形を防ぐことのできる唯一の溶接手法です。 レーザー溶接は硬度や強度といったベース素材が持つ特性の損失を最小限に抑える上で最良の溶接手法です。
利点
欠点
推奨事項
レーザー溶接は薄い板厚の、高強度で耐摩耗性の鋼材に最も推奨される溶接方法です。SSAB ではXXLテーラーブランクの幅広・長寸薄板の溶接を含む、レーザー溶接を行っています:
形切断(レーザー/プラズマ)やプレスブレーキ曲げ等の金属加工手法とレーザー溶接を組み合わせることで、XXLコンポーネントの加工に対応します。
レーザー溶接の品質はEN 13919-1 C(リクエストに応じてレベルB)の要件を満たしています。