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摩耗と戦う上質炭化クロムオーバーレイ(CCO)

オーバーレイ製品がベストチョイスな理由とは?

技術的観点とコスト的観点の両方からも、オーバーレイ鋼板が素材として最適な摩耗条件は数多くあります。 そのいくつかを紹介します:

• 砂利、スラリー、石英を含む砂等、硬い鉱物による滑り摩耗や中程度の衝撃摩耗。
• 砂岩、石灰石、石炭等、もろく砕けやすい岩等による滑り摩耗や衝撃摩耗。
• スラリーや浚渫作業等、濡れた環境でのすべり摩耗。
• 浸食を引き起こす細かい粒子を取り扱う場合。

摩耗作用のある岩の95%が柔らかい鉱物で構成されている場合でも、残りの5%の非常に硬い鉱物が摩耗の90%の原因となります – このような場合、オーバーレイが最良のソリューションです。

各種炭化物の違いとは?

CCO - 炭化クロムオーバーレイ - はクロムを多く含む炭化物だけを含みます。 オーバーレイは複合炭化物の場合もあります。 このような場合、Nb、Mo、V and W等の合金が炭化クロムに追加されます。

複合炭化物は通常、最高 600 °C (1100 °F) の温度下で十分な耐摩耗性を維持できるため、高温の摩耗状況でよく用いられます。 複合炭化物は一般的に、CCOより3~5倍耐用年数が長いため、オーバーレイの厚みに制限がある場合にも適しています。

中程度以上の衝撃にさらされる高性能オーバーレイ鋼板には、超微細ボロカーバイドを含む合金を使用することができます。 ボロカーバイドの粒径は 500 nmと小さく、従来の炭化クロムや複合炭化物の約200倍の細かさです。

オーバーレイ製品は文献やメーカーにより炭化鋼板、クロムオーバーレイ鋼、クロムオーバーレイ鋼板、肉盛鋼板とも呼ばれています。

CCO鋼板に使用される炭化クロムの顕微鏡写真
クロム炭化物または複合炭化物が鋼マトリクス内で分散しています。
CCO鋼板に使用されるボロカーバイドの顕微鏡写真
粒子の細かいボロカーバイドは、オーバーレイ素材の熱や衝撃への耐性を高めます。

オーバーレイ製品の溶接方法

肉盛層は鋼のベースプレートに溶接されます。 Duroxite®オーバーレイのベースプレートには普通鋼、または強度と耐久性をより高めるHardox®耐摩耗鋼板が使用されます。 Duroxite® 101とDuroxite® 201のベースプレートはHardox®が使用されています。

ジグザグ構造のクラッキングパターン

溶接部が冷却すると、溶接方向と垂直に細かいクラックのパターンが発生します。 これらクラックは想定内のもので、鋼板の耐摩耗性に影響を与えません。 クラックがあることで、鋼板を曲面にロール成型することが可能になります。通常は内側に肉盛層がありますが、外側の場合もあります。 オーバーレイ鋼板は、溶接止端部と並行に曲げないでください。

また、特別に処方した溶接用ワイヤや溶接棒でクロム炭化物または複合炭化物を蒸着することも可能です。 この方法は通常、リサイクルハンマーや掘削用バケットの刃等の摩耗部品の修理、メンテナンス、生産に用いられます。

CCO鋼板の溶接ビード断面を示した略図

ベースプレート全体には1層、2層、時には3層で施されている肉盛素材の溶接ビードが広がっています。

炭化オーバーレイ鋼板の溶接ビードを示した写真

ジグザク模様のクラッキングパターンが垂直に走る溶接ビード。

炭化物の肉盛層を備えた鋼板で作られた各種耐摩耗部品

鋼ベースに溶接用ワイヤまたは溶接棒を用いて手動で肉盛層を溶接したオーバーレイ摩耗部品。

SSABのプレミアムオーバーレイ製品

SSABは耐摩耗ソリューション市場のリーダーとしてその真価を発揮してきました。 これは、弊社が提供する幅広い調質鋼製品やCCO製品、さらに治金学や耐摩耗技術の広範な研究によるものです。

Duroxite® は弊社のオーバーレイ/肉盛製品の総称です。 Duroxite®シリーズには、CCO鋼板のDuroxite® 100とDuroxite® 101、複合炭化物オーバーレイ鋼板のDuroxite® 200とDuroxite® 201、そして超微細ボロカーバイドを使用したDuroxite® 300とDuroxite® 500が揃っています。

この他にも、生産や工場、現場での摩耗部品の保守に使用できるDuroxite®のパイプやピン、Duroxite®の溶接用ワイヤや溶接棒もご用意しています。