2021年2月02日
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デンマークのバケットメーカーSjørring社は、特注のローダーバケットをVolvo CE、日立建機、Epiroc and Doosan Infracore Europeをはじめとする大手建設機械ブランドに供給しています。 ヨーロッパ有数のホイールローダーバケットのメーカーとして、年間3,500個を超すバケットを製造しています。 超最適化された軽量掘削機バケットの設計を決めた同社が注目したのはSSABのHardox® 500 Tufでした。
特注掘削機バケットを製造する新しい試みのほかにも、Sjørring社はSSABと緊密に協力してきました。 両社は現在、SSABの最新世代耐摩耗鋼板Hardox® 500 Tufを使った掘削機バケットの開発を進めています。
Sjørring社とSSABの協力は自然な流れでした。 両社は長年にわたり協力してきた上、Sjørring社はデンマーク最大のHardox®耐摩耗鋼板の購入者です。 Hardox® 500 Tufプロジェクトでは、両社はそれぞれの強みを生かして、優れた相乗効果を生み出しました。
数十年の経験を持つバケットメーカーのSjørring社は、バケット製造の設計や生産に関して豊富な知識を提供しました。 Sjørring社により設計・生産されるバケットはいずれもロボット溶接に最適化され、建設機械との相性に優れています。
「SSABは耐摩耗性に関する広範な知識や、特殊な特性を備えた耐摩耗鋼板の品揃えをもとに設計について複数のアイディアを提案してくれました。また、プロジェクト全体をつうじて、素晴らしいサポートが得られました」とSjørring社CEOのKlaus Kalstrup氏は言います。
Sjørring社はバケット製造に最適化されたロボット溶接工程を導入し、高い生産性を実現しています
「SSABは耐摩耗性に関する広範な知識や、特殊な特性を備えた耐摩耗鋼板の品揃えをもとに設計について複数のアイディアを提案してくれました。また、プロジェクト全体をつうじて素晴らしいサポートが得られました」
設計プロセスでは、幾度もの試験や生産実験が行われました。 Hardox® 500 Tufを採用したバケットの設計では、不要なものはすべて取り除かれ、核となる機能性だけを残して、溶接の継ぎ目も最小限に抑えられました。
Hardox® 500 Tufは、Hardox® 450とHardox® 500耐摩耗鋼板が持つ優れた特性を兼ね備えています。 SSABの摩耗計算ソフトウェア Hardox WearCalcで花こう岩の滑り摩耗を計算した結果によると、Hardox® 500 Tufは耐用期間がHardox® 400に比べて85~100%向上します。 Hardox® 500 Tufの保証衝撃エネルギーは板厚20 mmで27 J at -20°C (20 ft-lb at 4°F) で、標準値は45 J at -40°C (33 ft-lb at -40°F) です。 さらに、475-505 HBWと非常に狭い硬度幅を誇ります。
寿命向上に興味があるので 担当者からの連絡を希望する。Hardox® 500 Tufは従来のグレードと同じ機械を使って加工することができます。
「設計と素材の組み合わせにより、軽量でありながら極めて耐久性に優れた掘削機バケットをお客様に提供することができます。バケットと掘削機の両方の耐用年数も向上します」とKlaus Kalstrup氏は言います。
高度に最適化された設計と生産能力、SSABとの協力、Hardox® 500 Tufのスティールグレードが融合することで、燃料消費量の減少、優れた耐久性、効率性の向上、バケットの寿命向上、修理やダウンタイムによる問題の減少等、驚異のメリットがエンドユーザーにもたらされました。
建設複合企業Aarsleffグループの掘削機オペレーター Mogens Jensen氏は、同社の特注掘削機バケットについてこう述べています:
「従来のバケットより容量は150リットル増えたにもかかわらず、約200kgも軽いのです。 バケットは非常に安定感があり、摩擦もはるかに少ないです。チルトロテーターを搭載しても機械にそれほど負担がかかっているように感じません。 それに、耐摩耗性に優れているので、詰まり等の心配もなくなりました」
Hardox® 500 Tuf 製品ページで自社製品への採用によるメリットを詳しくご覧いただけます。
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